目的語が2つある受動態の場合
前回は「byの省略」という内容の勉強をしました。
これは言わなくても分かる場合には「by 〜」を省略するということでした。
ところで受動態の基本は「目的語を主語にして文を作る」というのが基本でしたね。
そうなると目的語が2つある文の場合は、2種類の受動態を作ることができることになります。
「目的語が2つある文なんてあるの?」
そう思うかもしれませんが、あります。
目的語というのは「〜を」という意味になるものともう一つ、「〜に」となるものがあります。
例文を一つ書いてみましょう。
<目的語が2つある文(第4文型の文)>
例1)
「My father gave me some presents.」
(私のお父さんは私にプレゼントをくれました)
この文の中の「私に」という意味の「me」と、「プレゼントを」という意味の「a present」がそれぞれ目的語です。
もう一つ例文を見てみましょう。
例2)
「I showed my friend some pictures.」
(私は友達に何枚かの写真を見せました)
この文でも同じように「私の友達にという意味の「my friend」と、その後ろの「何枚かの写真を」という「some pictures」がそれぞれ目的語です。
では次のこのように目的語が2つある場合はどのような受動態の文が作れるのかをみてみましょう。
目的語が2つある文は2種類の受動態が作れる(人を主語にする場合)
では実際に2種類の受動態の文を作ってみます。
先ほどの例文を使ってみましょう。
「My father gave me some presents.」
(私のお父さんは私にプレゼントをくれました)
この文は日本語を見ても分かりますが「私に」と「プレゼントを」という部分がそれぞれ目的語になっています。そうなると「私に」と「プレゼントを」という語を主語にした受動態の文を作ることになります。では次の文を見てください。
@ 「I was given some presents by my father.」
(私はお父さんにプレゼントをもらいました)
A 「Some presents were given (to) me by my father.」
(プレゼントはお父さんによって私に与えられました)
これらの2つの文になります。
それでは少し説明をしていきます。
まず@ですが、これは元の文の「me」を主語にした文です。
しかし「me」ではじめるわけではありません。ここでは当然主語にふさわしい形(主格)に直して入れてあげないといけないので「I」にします。
またその次には「be動詞 + 過去分詞」を入れるのですが、元の文が過去形だったので「was given」にすることも忘れないでください。
そして次が一番のポイントになりますが、2つあった目的語のうち使わなかった残りの方をこの過去分詞の後ろに入れてあげます。だからここに「some presents」を入れてあげます。
そして最後は「お父さんによって」という意味の「by my father」を入れてあげれば完成です。ここで赤く書いた文字をつなげると
@ 「I was given some presents by my father.」
の出来上がりです。
目的語が2つある文は2種類の受動態が作れる(物を主語にする場合)
それではもう一つの場合も説明しましょう。
基本的に考え方は同じです。しかしちょっとだけ違います。
「My father gave me some presents.」
(私のお父さんは私にプレゼントをくれました)
この文の「some presents」を主語にした場合になりますね。
ですからまず最初は「some presents」で始まります。
次は「be動詞 + 過去分詞」を続けますが、ここで一つ注意です。
先ほどは主語が「I」だったのでbe動詞は「was」でした。しかし今度の場合は「some presents」と複数になっていますね、ですから「were given」にしてあげないといけません。
ここは見落としがちなところですから気をつけましょう。
そして次に入るのが使わなかった方の目的語です。ここでは「me」ですね。
ただし「me」のように「人を表す語が後ろに続くときには前置詞の“to”を入れることができる」というルールがあります。
これは「入れることもできる」ということなので、「入れなくてもよい」のです。
すごく中途半端な感じがありますよね、どっちがに決めてくれと・・・。
ですからここでは「me」だけでも「to me」でも正解です。
そして最後は@のときと同じで「by my father」をつなげれば完成です。
A 「Some presents were given (to) me by my father.」
このようにして最初に挙げたような2つの答えが出来上がります。
@ 「I was given some presents by my father.」
(私はお父さんにプレゼントをもらいました)
A 「Some presents were given (to) me by my father.」
(プレゼントはお父さんによって私に与えられました)
このように2つの目的語がある場合には残った方の目的語を過去分詞の後ろに入れるというルールがあり、そこがポイントになります。
また、人を表す語が後ろに来る場合にはtoを入れても入れなくてもよいという、あいまいなルールがありました。
しかしこのようなルールになっているので、テストではカッコの数で判断してください。
つまりカッコがあまるようであればtoを入れる。
toを入れるとカッコが足りなくなる場合はtoを入れない。
ということです。
以上が目的語が2つある場合の受動態の説明でした。
あとは練習問題を解いて慣れていってください。